点滴のルート確保のコツを掴む

「苦手な業務がありますか?」とアンケートをとったところ、半数以上のおよそ57%の看護師が「ある」と回答しています。そのなかでも、採血と並んで苦手だという人が多かったのが「点滴」です。点滴に苦手意識のある看護師によれば、点滴が苦手なのは「ルート確保が苦手」「漏れてしまう」「留置針がうまく入らない」といった理由があるようです。このルート確保にはコツがあります。留置針の留置イメージさえつかめれば、苦手意識のあるルート確保も成功できるようになるでしょう。

留置針のイメージを理解する上で大切なのは、留置針の構造を理解することです。留置針は内筒と外筒の2つの構造からできています。内筒と外筒はスライド式になっていて外れます。内筒は金属の針で作られており、先が尖っています。皮膚を貫き、外筒を血管まで導く役割があります。外筒はポリエチレン製で、血管に入り温まるとなじみやすい点が特徴です。血管の中に残り留置する役割があり、点滴のルートと接続し、注射液を血管内へ送り込みます。

血管に点滴を留置する際、約15~20℃の角度で指していきます。内筒が血管に入った段階で毛細管現象による逆血が見られ、その時点で内筒を固定して、外筒を進めて留置します。逆血が来た段階で内筒を抜くと、外筒が進められないので、必ず逆血が来たら内筒を固定して外筒を導きましょう。外筒が血管に入ったら内筒を抜いてください。このタイミングを間違えなければ失敗することはないでしょう。